駅のホームにて

駅のホームで写真を撮っていたら、二歳位の男の子を抱いた若いお母さんが、入線してくる列車を眺める姿がありました。

過疎地帯を走る第三セクター運営の平成筑豊鉄道ローカル線と、JR日豊線が、同じホームを利用している駅。

しかし、私が立つ平成筑豊鉄道の発着駅であるこの駅ホームから、JR乗降ホームへは行けず、JR線が平成筑豊鉄道側ホームに停まることはありません。

このローカル線のホームにいると、ひっきりなしに入線してくる列車を見ることができます。

その母親は、列車が好きだという我が子を、このホームによく連れてやってくるのだとか。

「入場料の要らないこのホームで、子供と一緒にお金のかからない遊び方をしています」

笑ってそう言うお母さんに抱えられ、男の子は、列車を見てニコニコしている。

ゲームを与えるより余程いい。

賢い母親に抱きかかえられて、母親とともに眺めたこのホームでの光景を、きっと子は、大人になっても記憶に留めることになるだろう。2011.10.10