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心の判断

木曾路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、
あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。・・・

これは島崎藤村の長編小説「夜明け前」の書き出しで、名優達によるユーキャン 日本の名作 朗読CD集のCMで耳にする。
で、この一節だけでも、すっぽりと情緒感をもって情景が伝わってきて、既に木曽路の山の中に立っているようにさへ思えてくる。

今どき、小説などかったるくて読む人は少ないかもしれない。
けれども、小説の中の行間には様々に人の心をはじめ、場面を読み取ることができるのだ。
川端康成「伊豆の踊り子」を読んだ小学生の私は、事実、字面を追いながら、天城峠で踊り子に出遭った。吉永小百合似の。
そしてこれが初恋だった気がする。爆

物と利便性に溢れた今の時代に失ったもの。
幼少期に育まれなければならない情操部分。
心を棄て形に頼る規則優先。
大切なことは、物事の善し悪し判断は、法や形式前に心を主とすること。


相談Dr.Next