臼杵紀行～part2

MENUは、コーヒー・紅茶・チャイ・フレッシュジュース・かぼす＆ベリエソーダ・フロートのみの茶店。
席は1F、2Fあわせて38席。
狭い路地の角にひっそり佇む建物、映画の名残館「クランク・イン!」。

小雨降る朝、Open間際のその店で、映画監督、大林宣彦さんから管理を任されているというマスターとあれこれ話させていただきながら、極上の時を過ごした。

「定年退職した後、縁あって此処にいいます。
コーヒーをたてるなんてしたこともありませんでした」
しかし、マスターが煎れてくれたコクあるコーヒーは美味かった。

2000年、大分県大野町で開催された全国植樹祭がきっかけで、臼杵を気に入った監督が地元の協力を得て、伊勢正三さんの名曲「なごり雪」をモチーフに映画は製作された。
監督とマスターは、植樹祭の縁以来の付き合いなのだという。

止まったままの柱時計･･
それにしても、緩やかに流れる時のなかで会話する空間は実にいい。

この店は、撮影の折にはスタッフも訪れ、今は引退された宝生舞さんの傍らで、監督がピアノを弾く場面もあったとか。

監督のシナリオ本には、まだ無名に近かった長澤まさみさんの名もあります。
可愛い字は監督直筆。

人も風も空気も、このままずっと居たいと思わせた、今回の旅のワンシーン。

2010.10.31 小雨降る城下町臼杵「クランク・イン!」にて